惑星ニビル伝説 ― いまも語り継がれる“第12の惑星”の正体とは?

世界の都市伝説

都市伝説 調査隊(file:23)

「突如として空から現れ、人類の運命を変える謎の惑星」――。
そんな刺激的なフレーズで語られるのが 惑星ニビル伝説 です。

現代では都市伝説や陰謀論の定番ネタとして広く知られていますが、その起源は意外に新しく、しかも一人の作家の解釈から始まったものでした。

ニビル伝説の起源 ― 1976年の“創作的解釈”

この伝説を現代に持ち込んだ人物は、アゼルバイジャン出身でパレスチナ育ちの考古学者 ゼカリア・シッチン(Zecharia Sitchin)
1976年に出版された著書 『The 12th Planet(第12番惑星)』 で、驚くべき説を提示しました。

  • 太陽系には未発見の惑星「ニビル」が存在する
  • その軌道周期は楕円軌道でおよそ3600年
  • ニビルには「アヌンナキ」と呼ばれる異星人が住み、彼らが人類を遺伝子操作で創造した

この説は、古代メソポタミア文明の神話に登場する「ニビル」という語を独自解釈したもので、学術的な裏付けはほとんどないと言われていますが、シュメール語が記された粘土板を読み解いたというのが都市伝説界隈では定説となっています。そして、この壮大なストーリー性が人々を惹きつけ、瞬く間に世界中へ広がっていきました。

シュメール文明と“天空の訪問者”

シッチンの着想の背景には、約5000年前の シュメール文明 が残した粘土板文書があります。
そこには「天空から来た存在」「第12の惑星」などの記述が見られ、これをシッチンは 実在の惑星=ニビル と解釈したのです。(天文学に関する粘土板の一例を紹介)

さらに、神々アヌンナキが「大洪水」や「人類創造」に関わったとする説を、“宇宙人による介入”という形で再解釈しました。(よく使用されるアヌンナキの姿)

ニビルが世界を騒がせた瞬間

2012年地球滅亡説

マヤ暦の終末予言と結びつき、「2012年にニビルが地球へ接近し大災害を起こす」という噂が爆発的に広まりました。結果はご存じの通り何も起こりませんでしたが、この時ニビルは都市伝説の“スター”となりました。

そして2025年へ…

近年もSNSや都市伝説界隈で、
「2025年7月5日、ニビルが再び地球に接近する」
「NASAは真実を隠している」
といった噂が飛び交っていますが、もちろん科学的な証明はなく、残念ながらNASAも公式に否定しています。

科学的な視点からの検証

  • もし太陽系にニビルのような巨大惑星が存在するなら、重力の影響で既存の惑星軌道に乱れが生じるはずです。しかし、観測上その兆候はありません。
  • 現在注目されている「第九惑星(プラネット・ナイン)」の仮説は、外縁天体の重力挙動から導かれたものであり、ニビルと関連付ける都市伝説は根強く残っています。

つまり、ニビルはあくまで証明されていない説の一つであり、実在の可能性は極めて低いと言わざるを得ません。

それでも消えないニビル伝説

科学的に証明されていなくても、「未知の惑星が地球に迫る」というドラマ性 は人々の想像力を刺激し続けます。
シュメール神話、終末論、宇宙人説、陰謀論――ニビルはあらゆるテーマと結びつき、今もなおSNSや都市伝説界隈で語り継がれています。

まとめ

  • ニビル伝説は1976年、ゼカリア・シッチンの著作から広まった
  • シュメール文明の神話を基にした“創作的解釈”が出発点
  • 2012年滅亡説などで世界を騒がせ、現在も根強い人気を持つ
  • しかし、科学的な証明は無くNASAもその存在を否定

2025年もまた、ニビルは私たちの想像力を掻き立てる「都市伝説の象徴」として語られ続けることでしょう。

今回も記事を最後までご覧いただき有り難うございました。
次回の記事は「月」に関する都市伝説を取り上げたいと思いますのでお楽しみに!!

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